子ども食堂を続けたくて、コミュニティカフェをオープン
「行政や福祉は完全ボランティアが多いイメージ。ボランティアだけで食べていけるわけではないし、なんとかしないと!」と、代表の宇野さん。
新卒採用の面接や人事の仕事を通して、幼少期の育てられ方や環境によって、若者の社会性や仕事に対する意欲などに大きな違いがあることに気づき、「親や家族だけでなく、地域ぐるみで子どもたちを育てていきたい」と、2016年に子ども食堂をスタート。
子どもたちがほっとできる居場所づくり。あったかい食事に、一緒に食べる楽しさやおいしさ。子どもたちだけではなく、仕事と育児を両立している親たちも一緒にホッと息抜きできるところをつくろうと。
自治体や企業からの補助金があり、食材などもいろいろ寄付してもらえるとは言え、人件費の確保がない経営は継続が困難。「なんとか、自分たちが楽しんでやっていける方法はないだろうかと」と悩んでいるときに出会ったのが、青い瓦屋根の昔の喫茶店の居抜き物件。
「ここで人があつまるカフェをして資金をまわしていこう!子ども食堂の食事も作れるし!」と、即この場所に決定。そうは言っても使っていたのは昭和の頃のよう。キッチンや内装も大改修、机も椅子も調理器具も食器もと、何もかもを購入しなければいけないほど。使えるのは、インベーダーゲーム機1つ。それでもがんばってコミカフェに改修。
そして、2018年7月17日。happiness*cafeがオープン!
昔懐かし、インベーダーゲームも復活し出番がやってきました。
おじいちゃんが集まる、集まる!!
女子ががんばると、集うは近所のおじいちゃんたち。今までは近所のイオンを居場所にしていたおじいちゃんたちがやってきては、「電球かえたろか?」とか、「ここちょっと修理したろか?」などなど、何かと力を貸してくれるんだそうです。宇野さんが「湯河原へ行くんです」と話したら、お勧めの場所や食事のことなど、湯河原のことを色々と教えてくれて、仕舞いには情報誌を持ってきてくれる人まで現れたとか。
「朝の散歩がてらに、地元の高齢者の方々の居場所になれば」と、夏場は6時半からオープンし、さらに、1ヶ月飲み放題のコーヒーチケットも提案。朝は、あいにく、犬と散歩する方が多かったみたいで、コーヒーでひと息、とはいかなかったようですが、おじいちゃんたちの午前中の居場所になりました。友達を誘って来られます。「おじいちゃんたちに若い人の食べ物も知ってもらえたら。」の想いを込めて、コーヒーやドリンクにはカラフルなマカロンがついています。
おばんざいのメニューが充実!
スタッフは近所のお母さん。「彼女が来る日は売り上げがいいです」と誇らしげ。
お昼のランチはおばんざい。Aランチはメインのおばんざい+副菜が2品、Bランチは副菜が3品。この日は手羽先と大根煮がメイン。副菜はポテサラと半熟たまご、小松菜の胡麻和え、かぼちゃの煮物、タコの酢の物からチョイス。
ほかほかの白いご飯に具だくさんのお味噌汁。お味噌は近所のお母さんの手づくり。ふぅふぅ。
京都の居酒屋には、カウンターに「京のおばんざい」がずらっと並んでいるのはよく見かけますが、こういった普通の「おばんざい」の外食ができるお店はあまりないんですよね。
ランチセットのほかに、おにぎりセット、お出汁茶漬けなどがあります。野菜たっぷりの手づくりキーマカレーは、土曜日限定。これもいけます!
お弁当の注文、配食サービスも、できる範囲で受けられています。
からだに優しいおばんざいメニュー、いいですね。子ども食堂用にも、おじいちゃんたちにも、近所のサラリーマンにも、今は少なくなった昔ながらの家庭の味です。
第2、4水曜は子ども食堂
12月はクリスマス会。たくさんの子どもたち、そして、たくさんの寄付もいただきました。子どもの孤食を無くしたい、家庭環境による学習格差を無くしたい、親たちにも息抜きをして欲しいとの思いで、月2回の開催を継続。happiness*cafeに来てくださる方が、子ども食堂のためにと食品や寄付を届けてくださったり、子ども食堂からカフェに来てもらったり、「両方の事業がうまくタイアップ出来て、子ども食堂もコミュニティカフェも、ちゃんと仕事として続けられることを目指していきたい」と、宇野さんは目を輝かせながら話してくれました。
喫茶店で出会った親世代。昔の男前が遊んだインベーダーゲームも、現役で再び動き出しました。
再びよみがえった昔の喫茶店、青い瓦屋根のhappiness*cafeを、ちーびずも応援しています!