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2016年09月08日 | コミュニティカフェ
隠れ里で過ごす贅沢な時間-ギャラリーカフェ道の途中
この記事に登場するちーびずさん
田中 裕子さん(ギャラリーカフェ 道の途中)
田中 裕子さん(ギャラリーカフェ 道の途中)地域とのつながりを大切にしながら、南丹市口人で人気のギャラリーカフェを運営されています。地元の様々な野菜を使ったメニューを考案されています!
田中 正雄さん(ギャラリーカフェ 道の途中)
田中 正雄さん(ギャラリーカフェ 道の途中)南丹市口人で「ギャラリーカフェ 道の途中」をご夫妻で営んでおられます。「できる範囲」で少しずつ地域貢献の為の活動も行なっておられます。

隠れ里への憧れ

個人的な話ですが、私の母は九州の湯布院の近くの出身でして、、
それはもう、人里離れたというか、一番近くの駅から見ても谷を越え、山を越えた向こう側に祖父母の家が見えるという、不便という言葉を通り越したようなところが故郷でした。

 

でも、都市に生まれ育った私にとっては、秋には黄金色になった田んぼに囲まれて風の音が聞こえるような環境が、何だかかけがえのないものに思えて、幼い頃から何度も訪れてはヒグラシの鳴く田園風景の中でぼーっと過ごした記憶があります。

 

そんな影響なのか、もし、都会への便利さを捨てて移り住むのであれば、そんなに知名度が無くて、美しい自然と平和な暮らしと親切なご近所さんといった心地良い日々を過ごしたい。そんなことを思ったりもするわけです。

まぁ、一瞬頭によぎっても結局は今の環境を選択する私ですが、そんな隠れ里のような場所に対する憧れは幼い時から強いのかもしれません。

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山あいに広がる越畑の風景。棚田が有名ですが、、

ちーびずに関わるようになって、京都にもそんな場所が発見できたのは幸運でした。
例えば、越畑や水尾といった地区は京都市内とはいえ、愛宕山の裏側にあたり道路の不便さもあって、美しく雰囲気ある里だと思っていますし、初めて知った時は嬉しくなったのを覚えています。

今日ご紹介する「ギャラリーカフェ道の途中」さんも少しそんな雰囲気の場所にあり、その近郊にお住いの作家さんたちの活動の場として人気を集めています。

 

園部の隠れ里「口人(くちうど)」

「ギャラリーカフェ道の途中」さんが位置する南丹市口人は園部駅から車で15分程度の比較的便利な場所。四方を山に囲まれた場所にあって、隠れ里のようにゆったりと時が流れる場所です。

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南丹市口人の風景

バスも園部駅から運行があるのですが、1日数本しか出ていないのが不便といえば不便。

今回道の途中さんでちーびず応援カフェが開催されるということで私も公共機関でお伺いすることを検討しましたが、最後には園部からタクシーしかないんですよね。。。。地図上は近いのですが、、、

 

でも多分、この「不便さ」があるから「隠れ里」的な魅力があるのだと思うのです。作家さん達が「道の途中」さんを作品展示の場として選択するのはそういったことも一つの要素に違いないです。

 

もう一つ「道の途中」さんが作家さん達の人気を集める理由があるとすれば、その空間の佇まいです。

 

大型古民家の素材をそのまま活かした空間

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「道の途中」さんの建物は、正面の可愛い窓が迎えてくれる厨子二階(古い町家などに残る低い二階構造の建物)の大型古民家で、おそらく明治期か大正期以前の建物です。

全面的に土壁、軸組等の伝統工法を残しておられ、今では少なくなったそういった素材や、そのフォルムの美しさが空間の価値を高めていると言えます。「ここだったら自分の作品を託しても良いかな」と作家さんが考えるのも頷けます。

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特に象徴的とも言える二階のギャラリースペースは作家さん達に人気で、「非日常」を感じるその空間を展示場に見立て、新しい創作や展示にチャレンジする方も多いのだとか。

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降り積もったほこりを一箇所ずつ

オーナーの田中さんは前職では大手の建設関連会社のにお勤めの方で、元々古民家に興味をお持ちでした。
比較的状態の良かったこの物件を購入後、奥様と当時のお住まいから通い、明治なのか、大正なのか、いつから降り積もったのか解らないホコリを一箇所ずつ取り除いていったそうです。

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初期は設計事務所兼ギャラリーとして考えていたそうですが、カフェとして一部をリノベーションし、現在に至っています。
カフェは雑誌などメディアへの露出も多く、南丹地区担当の推進員曰く「昼に立ち寄っても満席で入れない」時があるほど人気なのだとか。

 

地元への感謝

そんな田中さんが何度も口にしておられたのが地元の方への感謝の言葉でした。
「地域のためにと元々思ってこのカフェを始めたわけではなかったけれども、外から入ってきた自分達に対して口人の人たちがとても親切にしていただいた。」

そして、今後「まずはここで人を外から集めることを地元への貢献につなげていきたい」と話します。

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今カフェでは、徐々に地元の野菜を取り入れたメニューを増やしているそうで、この日のランチプレートでは、珍しい食用ほおずきなど、口人の豊かな「食」を感じることができるものになっていました。

 

口人は平成22年に南丹市から「限界集落の予備群」という指定を受けたほど地域の高齢化は進行しています。

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「口人の郷」という組織を作り、野菜市の開催など、限界集落化という困難な課題に対し積極的に活動しておられるこの地域において、「道の途中」さんや田中さん夫妻がこれから関わって作っていく未来はきっと楽しい。そんな風に思います。

忙しい田中さん夫妻ですが、今後の活動が楽しみです。

 

終わりに。

今回のちーびずカフェが開催された時期は9月。
収穫を待つ稲穂を揺らす秋の風が流れ込む室内に、いつしかひぐらしが鳴く声が聞こえていました。

こんな贅沢な時間なら少し長居をしてしまうのも仕方がないのかも。

少し個人的にも「隠れ里」欲を満たし、明日からの活力を得た一日でした。

この記事のちーびず団体

chii-information
〒6220046 南丹市園部町口人ヒマキ50番地1
TEL:0771-68-3155
営業時間10:30〜17:00
定休日: 月曜日 金曜日
田中 裕子
田中 裕子

ちーびず推進員メモ

今回のちーびず応援カフェでは、地域を盛り上げていく為のアイデアとして、口人のマップを作成する、作家さんの企画展示会をより頻繁に行うなどが出ておりました。
by
いのうえと申します。二代目ちーびず推進員の一人ですが、推進員の中でも下っ端を自負しております。お仕事は幅広くデザインのことをかじっております。両親は九州と中国地方出身、私は京都府出身京都市在住。実は、遊牧民のような出自のせいか、京都府各地のことはよく知らないことばかりなのです。。。