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2019年05月14日 | ちーびず ちーびず感想記
芳香な香り、京都城陽・青谷梅林の「城州白」~青谷梅工房
この記事に登場するちーびずさん
田中 昭夫さん(青谷梅工房)
田中 昭夫さん(青谷梅工房)青谷の梅を守ろうと、教職を辞めて工房の運営や梅の栽培、イベント出店や加工品作り等様々な活動を行う元気印の方です!

「どうやった?!いけた?」

厨房の奥から元気な声。初対面で軽く会釈した程度の私に気さくに話しかけて下さったのは“あやちゃん”こと鈴木文子さん。梅酒や城州白梅ビールなどのお酒と、地元で採れた食材を中心としたお料理が楽しめる、毎月第3土曜日の夜に開催しているイベント梅酒バー「梅月夜」。そちらでお料理を担当されているのが鈴木さんです。

あやちゃんの料理は、梅のお酒の味を上手く引き立てていて、本当に美味しかったです。一品一品丁寧に手作りされていて、家庭料理の域を大幅に超えた、オシャレな味(笑)

こちらは青谷の造り酒屋「城陽酒造」さんの梅酒「原酒」です。大粒で薫り高い“城州白梅”で作ったお酒は、やはりもの凄く梅の香りがして、とても美味しかったです。

「あやちゃんの料理はどれも美味しい。お客様からも好評です。だから、何かある度にあやちゃんに頼ってるねん」と田中さん。

この日の梅酒バー「梅月夜」は満席で大忙し、手と足をフル活動しながら、それでも明るく話して下さるのは、青谷梅工房代表の田中昭夫さん。壁に梅シロップの宣伝ポスターが貼ってありますが、そこに満面の笑みを浮かべた、“元気印”の田中さんが写っています。それを見て、ついつい「梅を食べると、こんなに元気になるのかしら・・・」と思ってしまう、そんなオーラさえ感じてしまう田中さん、いえ、『梅シロップ』のポスターです。

よくよく店内を見渡すと、梅の加工品がずらーっと並んでいます。

「青谷梅工房」スタート

青谷梅工房は城陽市青谷地区にあります。 もともとは梅まつりの時に観光に来られた方をもてなす喫茶&お土産屋さんを造ろうと 空き家を借りてボランティアで始めたのがスタート。 次第に地元特産の城州白梅を使った梅干しや梅ジャムなどの梅加工品の製造・販売。梅 の剪定・消毒・収穫など、梅林の世話もするようになりました。 地域に根付きたいという願いがありましたが、最近では月に1回の歌声サロンや梅酒バ ー「梅月夜」のように、地域の人の活動に利用されることが増えてきています。

濃厚な香り 特産の梅「城州白」

城州白はなんと青谷にしか見られない梅の種類。大粒で香りの良いのが特徴。

京都の梅、と言えばこれ。青谷梅林の歴史は江戸時代にさかのぼります。紅花で色を染め たときに、その定着剤(媒染剤)として梅の実からつくる烏灰(うばい)がもてはやされ ました。それが収益につながったので青谷の人たちはこぞって梅を植え、ここは広大な梅 林になったそうです。

明治になって外国から媒染剤として薬品が入ってくるようになり、青谷梅林は急速に廃 れ始めました。でも、この時、青谷の有志の人たちが、この素晴らしい梅林を多くの人に 見てもらい、観光に繋げていこうと「青谷保勝会」をつくりました。、「青谷絶賞」とい うPR雑誌もつくりました。その結果全国に知られる梅林になっていきました。 その後戦争を経て、宅地開発などもあり、しだいに青谷梅林は縮小してきました。

現在は約20ヘクタール程の面積に約1万本の梅を栽培し、年間130トンほどの梅を出荷しています。それでも生産量は府下最大です。

梅の栽培は12月頃にする剪定が大変な作業です。「桜切るバカ梅切らぬバカ」と言い ますが、梅にとって剪定はとても大切な作業です。作業がしやすいように低い木に仕立て ていきます。 また、どうしても消毒をしないと虫や菌がついてきれいな梅ができません。さらに肥料 やりや草刈りなども大変な作業です。お金もかかります。

そんな栽培のの苦労に見合った安定した収入が入れば続いていくのだろうと思いますが、残念ながらご子息は梅農家を引き継ぐより公務員や企業に勤められる方が多く、後継者に不足しているのは梅の栽培に限った事では無い、と言うのが昨今の農業の近況です。
高齢化のため栽培を止めてしまわれた方も多く、放置された梅林が年々増えています。 折角の美味しい梅、景観をもつ素晴らしい梅林が段々と無くなっていきます。せっかくの 「城州白」、人気の高まってきた品種なのに。

私も数年前、初めて京都に有名な梅林がある、そこの梅がとても美味しい、それで作った梅シロップが最高に美味しいとウワサを聞きつけ旬の時期に購入に走って出会った梅が「城州白」でした。自家製として漬け込む。完成が待ちきれなかった事を思いだします(笑)

驚いたのが、出来上がりの梅の香り。そして一年物、二年物。味わいはどんどんコクが増し、深く濃厚な梅の香りに変わっていくように思いました。

みんなが関わって盛り上げる

私の様な新参者でも一度味わうと魅了される梅の味。地元の方は当然、残して行きたいと思われている方は多いと思います。でもそれが、簡単では無い事も充分に理解されている。

そこに田中さんをはじめとする梅への想いや課題を共有するメンバー、そして行政の力も入り、少しずつ少しずつ、今の『梅工房』への活動に進んで行かれます。今までの道程をインタビューすると、

「あの時は、〇〇さんに手伝って貰った。」「あ、これは〇〇さんが作ってくれた」という言葉を何度も聞きます。

田中さんの周りには色んな協力隊がいらっしゃるんですね??

「僕と言うより梅工房。この場所には色んな人が関わってくれてる。何故か、困った時にはいつも誰か手伝ってくれる。そういう意味ではここは人が良く集まる。・・・お客さんは少ないねんけどね(笑)」と笑う田中さん。

あやちゃんもそうです。

「イベントする時は大概何か食べるものを作ってます。よもぎ餅、うどん等々。それでいっつも、田中さんと『店の前行列できたらどうしよ!』言ってるんですけど~。出来た事無いね(笑)」

人気の梅製品がいろいろ並ぶ梅工房

田中さんとあやちゃん。何でも明るく笑い飛ばすお二人の明るさと、美味しい梅製品があれば、梅工房のファンはこれからもどんどん増えるでしょう。

工房にはいろいろな人気商品が並んでいます。

梅シロップや梅ジャム、梅サイダーは定番で人気商品。そして何より、梅干しのラインナップも数種あり、好みの大きさ、味と出会えます。梅干しの塩分濃度は 18 %と昔ながら のしょっぱい梅干しですが、これを求めてくる人が意外に多い。でも少し塩分を減らした 白漬梅やもっと食べやすくしたというまごころ梅もあります。

最近はギフトの対応や、イベント出店用のオリジナル梅商品を作られたり。いつお邪魔しても何か、新しい事を次々展開されている、とても元気なメンバーとアイデアが溢れる、素敵な工房です!

毎週土曜日の午前中は、地元野菜の直売もあります。梅製品や地域の新鮮な野菜、そして田中さんたちの笑顔に会いに、是非お訪ね下さい!

この記事のちーびず団体

chii-information
〒6100113 京都府城陽市中出垣内73-5
TEL:0774-39-7886
営業時間09:00〜16:00
定休日: 日曜日 祝祭日
Mail:info@aodaniumekobo.com
田中 昭夫
田中 昭夫

ちーびず推進員メモ

堤明日香
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京都府南部、山城地方のちーびずを応援しています!地域の美味しい食材、大切に遺していきたい地域の宝(人)を見つけ出すことが得意です。ちーたびやマルシェの実践回数、情報も豊富。山城地方でちーびずにチャレンジしてみようかな、と言う方、是非一緒に盛り上げて行きましょう!
山城ごはん、ホームページはこちら:https://shop.yamashiro-gohan.com