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おいしいお米を届けたい~京都ちーびずワークショップ交流会vol.2
この記事に登場するちーびずさん
辻 典彦さん(八幡市 京都辻農園)
辻 典彦さん(八幡市 京都辻農園)「美味しいお米を食べて貰いたい」というシンプルな想いのもと、あらゆる努力を率先してこなし、辻さん自身が納得するお米を作る。地域のみならず同業者でも辻さんの米のファンは多い

   

レンジでチンする「玄米ごはんパック」

ブログ「京都八幡ヒノヒカリの真空パック~おいしいお米を防災の備蓄用にも」で紹介した、八幡市の京都辻農園が、レンジでチンする「玄米ごはんパック」を開発。

2016年、2017年と、2年連続、お米番付で最優秀賞を受賞され、農薬・化学肥料不使用で、米の甘み・旨味・風味にこだわり、手間を惜しまず生産された特別栽培米「石清水」の玄米ごはんです。

しかも、レンチン時間は、1分20秒! !

おいしさたっぷり、健康にやさしい、ゆるい糖質制限にも対応可。「二姓(百姓ではなく、2種に絞り込む)」にこだわり、地域にも呼びかけて高齢化等による耕作放棄地をなくしたいとがんばる農業男子を応援すべく、ちーびずプラザで試食や試験販売をしています。

このワークショップでは、京都辻農園の代表・辻典彦さんから、「おいしいお米」にこだわって、いろいろ教えていただきました。

自分の「好き」が、いちばん「おいしい」!

先のブログでも紹介していますが、辻さんのこだわりは、おいしいお米を食べてもらうこと。けど、おいしさは、人それぞれ。お茶碗に盛られた湯気の立つ白米がおいしいと思う人、おにぎりや、カレーライスや、カツ丼のご飯がおいしいと思う人もいるかも。とすると、お米を主役とするのか、おかずをおいしくする引き立て役とするのかでも違いがあり、固めに炊くとか、柔らかめに炊くとかも、考えないといけない。

そんなたくさんの顔を持つお米の、全ての人がおいしいと納得する奇跡のような炊き方は、あるのか?

「・・と言うのは、ないんですよ。なので、やはり、自分の好みの通りに炊くしかない。自分の思うおいしいを一番大切にすればいいんです」と辻さん。

さらに、「私がおいしいと思って出したお米が、それが好みでない人の手に渡ってしまったら『まずいお米』になってしまいます。逆に、私が失敗したかも…と不安に思ったお米でも『最高においしい』と言ってくれることもあります。この子たち(お米)にはそれぞれいい嫁ぎ先があるはずなんです。しっかりマッチするように努力すれば、全てが『おいしいお米』になるはずです」とも。

おいしく炊くコツ

みなさんは、どのようにお米を研いでおられますか?

「基本的にはゴミをとるように一度研いだら、あとはすすぐだけでOK。どれだけ研いでも水は白く濁ります。そして濁りこそがお米の旨味。流してはいけません」。参加者からは早くも「ほー」と感心する声が上がります。

「高温で炊けば短時間で炊き上がる分、風味が損なわれず香り立つご飯になるし、長時間給水させじっくり炊き上げたお米は、内部の甘みが溶け出して表面にコーティングされるので、口に入れてすぐにわかる旨味のあるご飯になります。裏技的にパスタのように沸騰したお湯に米粒を入れて炊く「湯炊き」の場合、炊飯時間は短くて済みますが、最後に茹で汁を捨ててしまうので旨味成分の大半が捨てられてしまうそうです。

洗米、吸水、炊飯方法の理由がわかると、いろいろアレンジができるということがわかりました。

ワークショップでは、給水をほとんどせずに早炊きで仕上げるご飯と、1時間じっくり吸水させた2パターンを準備していただきました。食べ比べが楽しみです。

 

「おいしい」にこだわる熱い想い

炊飯器のスイッチを入れ、炊き上がりを待つあいだに、辻さんから米作りのこだわりをお聞きしました。

辻さんの田んぼは、光をたっぷりあてて強くて立派な稲を育てるため、稲と稲の間隔がかなり広くとられていますが、強く育つことで、1本1本がしっかりと育ち、不良米の少ない収穫ができるため、むしろ収穫量は増えているそうです

お米や田んぼを「この子」と呼ぶ辻さん。お米作りにも、こだわりと愛情たっぷり。

野菜はセリにかけられて値段が決定するので、美味しい野菜を作れば努力は報われます。しかし一般的にお米は、買い上げ価格が決まっており、美味しさで買い上げ価格的に一切変動されない為に「美味しい米なんか作って、どうするの?」と周囲の生産者からよく言わるそうです。

「当たり前のように『おいしいものをつくって、なんになるのか』という感覚が米農家にあるのが恐ろしいし、なんかそれって辛いじゃないですか、単純に! 米生産者が素直に「美味しい米を作りたい」と思える社会に変えていきたいと奮起した辻さんは、「綺麗事を言ってても世の中は動かないので、実際においしいお米を作るために、まず自分が頑張ってみよう」とアクションを始められました。

ちなみに、京都府は、野菜農家は、若い世代の新規就農率が全国一位で、しっかりと儲けられるビジネスモデルができあがっているそうです。「儲かるからこそ、野菜農家になる若者はいます。残念ながら、お米農家を希望する若者はほぼいません。稲作の新規就農を『やってやろうか』と言う人がひとりでも現れるようになって、稲作文化を復活させていきたい」と、熱く語る辻さん。

お話に聞き入っているうちに、そろそろお米が食べごろになりました。

炊き方だけでこんなに大きく変わるとは!

さあ、待ちに待った食べ比べです。

辻さんのオリジナルブランド「石清水」

なるほどその違いは歴然です。口に入れた瞬間、食感、後味…

給水時間を取らずに早炊きするとお米の甘みが表面に出ていないので感じにくいのですが、消えてしまっているわけではないのでしっかり噛めば後からついてきます。これが意外と良く、後々まで米の甘味が続きます。実際の食事では、ごはんの後に口に入れたおかずの味と合わさって食事全体が美味しくなるのだとか。粒も一粒一粒がしっかりとした感じです。

また一方、じっくり吸水し、弱火でゆっくり炊き上げたご飯は、香りこそ飛んでいますが、内部から十分に引き出された旨味成分が表面にしっかりと集まり、口に入れた瞬間からご飯の美味しさ、特に甘味がしっかり感じられます。ついついご飯ばかり食べてしまいそう。食感はもっちりとした感じになります。

同じお米なのに、炊き方を変えるだけでこんなに味や風味、食感が変わるなんて!いろいろなシーンに合わせたご飯のアレンジをしてみるのも楽しそう。

「皆さんが「いろいろ試してみよう」と思って下さることが嬉しくて、こうして活動をしています。興味が広がり、新発見があり、より良い「米ライフ」を送って頂いて、食事の時間をより一層幸せな時間にしてもらえたら…

『そんな大それたことを』と、よく言われるんですが、稲作の未来のためにも、これからも頑張りたいと思います。応援していただけたら嬉しいです。よろしくお願いします」

辻さんのとても力強い言葉で、ワークショップは終了しました。

新作、「玄米ごはんパック」もよろしく

こちらも、レンチンして試食。従来の玄米のヌカ臭さが全くなく、香ばしさが残るとてもおいしい商品!

家庭用の炊飯器では出せなかった内部にある旨味を何とか味わってもらいたくて製造業者と試行錯誤して開発されたそうです。業務用の大きな釜で圧力やスチームなどを駆使し、とても食べやすく、そして美味しく、さらに玄米の栄養も通常よりも吸収しやすいようになっているとか、まさに優れもの。

試食した皆様からも、「玄米ってくせがあると思っていたのにとっても食べやすい」とか「こんなおいしい玄米ごはん食べたことない」などの声が…

実は辻さんからも、「自分で炊飯器で炊いてもこんなに美味しくは炊けないんです」という言葉が…。辻さん的にも自信作のようです。

試食後、希望の方には販売しましたが、あっという間に売り切れてしまいました。恐るべし!

ちーびずプラザでも取り扱っています。是非足をお運びくださいませー。

この記事のちーびず団体

chii-information
〒6148064 八幡市八幡松原11
TEL:075-950-8811
Mail:non77777@gmail.com
辻 典彦
辻 典彦

ちーびず推進員メモ

井上 淳
by
いのうえと申します。二代目ちーびず推進員の一人ですが、推進員の中でも下っ端を自負しております。お仕事は幅広くデザインのことをかじっております。両親は九州と中国地方出身、私は京都府出身京都市在住。実は、遊牧民のような出自のせいか、京都府各地のことはよく知らないことばかりなのです。。。