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京都・綾部「今しぼり」から醤油を伝える、暮らしを伝える
この記事に登場するちーびずさん
多田 晃さん(株式会社 今しぼり)
多田 晃さん(株式会社 今しぼり)お話の中で「メンバーみんなで」という言葉をよくお伺いする素敵な社長です。現在、木の樽版「育てる醤油」を開発中!

「手前醤油」?!

どこの家庭でも毎日の様に使われる醤油を、自分で作れるなんてご存知でしょうか?

もちろん、簡単ではないのですが。「手前味噌」という言葉があるように、昔むかしは「手前味噌」ならぬ「手前醤油」として、各家庭それぞれの味があったんだそうです。

綾部市・志賀郷(しがさと)は静かな山間の地域。

「株式会社 今しぼり」は、志賀郷地区にIターンしてきた9家族が、2017年4月に立ち上げた、生まれたての会社で、お醤油の製造販売をしています。

民家を改修した社屋・工房は、この土地にしっくりと馴染む佇まいです。出迎えていただいた玄関から入ると、なんとも言えない優しい温かい香り。なんだろう。知っている匂いで例えるなら。。。「発酵中のパンの酵母」!その後で、じんわりと芳しい香りも混ざってきました。これはお醤油の香りですが、とてもふわっとしてて、ちょっと幸せな感じになります。

「そうですか?私たちはずっとここにいるので、あまりわからないですね〜」

そうおっしゃる金田さんは20年前に長崎から名古屋、亀岡を経て綾部市に移住してこられたんだそうです。自然の豊かな自宅で農家民泊を経営される傍ら、ご主人は大工さん、ご自身はここで醤油づくりもされているんだそうです。素敵ですね!

I ターン者が元気な志賀郷地区

綾部市は、京都府の中でも移住者の多いまちです。

田舎暮らしへの憧れをもっておられる方は少なからずおられるでしょうが、「移住先に仕事がない」のは、かなりのネックです。若い家族が移住しても安心して子育てができる、現金収入になる仕事を地域で!という想いを地区の方々が共有し、2017年に、株式会社今しぼりを創立されました。

社長は多田晃さん。移住前は大阪で教員をされていたとか。メンバーは社長含めた、移住者9家族。これこそ、地域課題をビジネス的手法で解決ですよね!

お醤油は、一般的に流通販売しているものとは違い、厳選した国産原料で「古式製法」を用い、さらに最後に火入れをせずに、麹が生きたままの醤油を丁寧に作っておられます。発酵食品から、人間の体にも有用に働く微生物を取り入れるのは昔ながらの知恵とも言えます。現代では意識しないと難しくなっているんだと、改めて感じます。

お醤油の工房を見学!

今では珍しい、大きな石臼が目を引きます。

小麦の挽き割りは機械でされる事がほとんどだという事ですが、工房内でのワークショップの時は、一躍人気アイテムに!

大きな鍋は、大豆を煮るのに使われ、年季の入った大きな炒り釜は小麦を炒るのに使用されます。

原料にも並々ならぬこだわりが。現在流通している醤油の約82%は脱脂加工をされた大豆が使われていて、丸大豆、中でも国産の丸大豆が使われている物となると、全体のたった2.4%なんだそうです。国産大豆でもすごいですが、既に自家栽培の大豆を使って味噌や醤油を家庭で作っておられるメンバーさんもいらっしゃるとか!

そして、仕込みを終えた醤油麹をこうして時々かき混ぜ、じっくり1年以上手間暇をかけて熟成させ醤油もろみになります。見てください!このもろみたちへの、愛情のこもった岩田さん、水田さんのまなざし。これが全てを物語っていますよね〜!

こうしてできた醤油もろみを搾ると、皆さんご存知の「醤油」になるという訳です!

今しぼりさんの面白いところは、この様にこだわりの醤油を作っておられるのに、醤油の販売のみにとどまらず、工房での醤油づくりや、醤油を搾ったあとの「醤油もろみ」にオイルや香辛料を入れたオリジナル調味料を作るワークショップを開催され、田舎暮らしのお話もされながらファン作りをされているという事。

さらに、醤油作りの工程ごとに、面白い製品が開発されていて、どれも初めて見るものばかりです!発酵した原料とオリジナルガラス瓶がセットになった「育てる醤油」は、自宅で一年かけて醤油を醸造できる優れもの!

「食べる醤油」は「もろみ」からできた調味料

自宅で醸造した醤油を搾るための搾り器は、卓上型と大きな瓶型の二種類。卓上型は、メンバーのご親族の陶芸家さんにオリジナルで手作りしてもらっているそうで、とってもかわいい!瓶型搾り器はなんと、社長自ら搾る部分のハトメ加工を一つ一つ、されているんだとか!!ちーびず的で、温かみを感じます。

 

ちーびずアンテナカフェで、醤油づくりワークショップ!

現地で、お醤油づくりを見せていただいて感動。もっとアピールしたいと、ワークショップを開催しました。

講師は、メンバーの加茂説子さん、金田博子さん、岩田まほみさん。

皆さん三児の母とあって、せっかく8月、夏休みということで、親子参加も大歓迎!自由研究にもってこい!のスペシャル企画にしていただきました!

せっかくですので、私も子供連れて参加しました!大人に混じって、この日は小学生が二人。

そして、推進員としてのアピールをプラス言うことで、お醤油づくりの工程の紙芝居を作り、披露させてもらいました。だいたい分かってもらえたかな?ご静聴ありがとうございました~!

 

さて!ここから本格醤油づくりのワークショップ!

小麦を水に浮く様になる位までこんがり炒り、石臼で挽きます。

うちの子、内緒で炒った熱々の小麦をつまみ食いしていましたが(笑)なんと、これが香ばしくて美味しい!!くせになりそうでした(母もつまみ食い;)サクサク、ぽりぽり。素朴ですが甘みがありました!講師のみなさんには「食べられたの?!」とびっくりされました;安心な原料だからできるんですけどね。

石臼体験は子供たちも楽しそう!私も実際に体験するのは初めてでしたが、回す速度や小麦を入れる量によって、出てきた小麦が細かくなったり粗くなったり!でも、大丈夫!これは小麦の表面に傷をつけ、麹菌が育ちやすい環境にするためだそうですので、いろんな大きさがあるとそれぞれの働きをするので良いのだそうです。深いですね。

茹でた大豆に挽いた小麦、醤油専用の麹菌をふりかけ混ぜ混ぜ!まだホカホカです。

これが醤油麹の元!お土産に、皆んなで分けていただいて帰りました。発酵の後、塩水で仕込んで来年秋まで大事に育てると、本当に「手前味噌」ならぬ「手前醤油」ができるんですって!

 

そして、お待ちかね!ランチと交流の時間。

ご用意いただいたのは、今しぼりさん特製「食べる醤油」をつけていただく、温かい綾部米のおにぎり!蕗の佃煮、新鮮な生きた醤油を使った冷汁も絶品でした!

参加の皆さん、もちろん醤油づくりにも大変興味を持って来ていただいていたのですが、今しぼりさんの素敵な田舎暮らしや仕事づくりのお話にも引き込まれました。皆さん、意気投合して、1年後にできた醤油を見せ合う会を開きたいね!なんて話も飛び出しました。

大人も子供も、それぞれに大満足の楽しいワークショップ、本当にありがとうございました!

さて!先ほどの醤油麹の元!!

自宅に持ち帰った醤油麹ちゃんたち。教えてもらった通り3日間、一定の環境で麹菌を発酵させました!!!

元気に育ってくれて、こんな緑色になったので息子と仕込み作業をしました。

次の暑い夏を越したら、おいしい醤油が完成するんですって。搾りたて、生きた醤油を味わえる日がとっても楽しみです!

皆さん、チャンスです!!

9月4日、再度このワークショップを開催予定です!

場所はアンテナカフェ&スペース御所西(新町丸太町を北へ、地下鉄丸太町より徒歩3分ほどです)にて。

料金は大人2800円。ランチ付き。醤油麹の元、火入れしていない生生(きき)醤油1本もお土産にいただけて、これはとっても価値がありますよ!予約は当ホームページのイベントページより。ぜひ、ご参加をお待ちしています!

この記事のちーびず団体

chii-information
〒6230351 京都府綾部市篠田町小西5
TEL:0773-21-6831
FAX:0773-21-6831
Mail:shigasato@imashibori.com
多田 晃
多田 晃
渡辺 典子
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三児の母ちゃん並びにフリーのデザイナーをしています。お話をたくさん伺って、その地域や人の「思い」を「見える形」「伝わる物」に変換していくことを生業としています。推進員活動では、ちーびずのPR・広報をがんばります!