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2018年03月12日 | ちーびず
京都発のエネルギー循環システム!
使用済み天ぷら油をバイオディーゼル燃料として活用
この記事に登場するちーびずさん
蒲田 充弘さん(NPO法人 丹後の自然を守る会)
蒲田 充弘さん(NPO法人 丹後の自然を守る会)丹後の海や環境を守るため、家庭廃食用油をバイオディーゼル燃料化し、地域循環ネットワークで特産や農業振興につないで地域を元気に。ちーびず推進員。

1、京都北部の美しい海の水質を守りつつ、

2、地球温暖化等の気候変動を防止し、

3、地域の農業や産業を元気にし、

4、さらには、障害を持った人たちの働き場をも元気にする・・・・ために、2001年から活動を開始したNPO法人丹後の自然を守る会。

「循環」をテーマとしたちーびずをご紹介すべく、ちーびず推進員としても活躍中の蒲田充弘さんにお話をお伺いしました。

成功の最大のポイントは、地域協力システム!

循環を、ざーっと紹介すると、家庭の台所から出た使用済みのてんぷら油、つまり、家庭廃食用油を回収し、それをバイオディーゼル燃料に変えて販売、その燃料で農業機械や漁船を動かして、丹後のおいしい食材や特産品をつくって販売し、それによって地域づくりで地域が元気になる、という地域循環です。

京都にしかない、この循環システムの成功は、住民主導の地域コミュニティによる回収システムと、加工品や特産品づくりには、積極的に障害を持った人たちの仕事づくりにつながるシステムで、多くの人が参加でき、地球環境に対する意識を、みんなで高めるシステムだから。

写真をお借りしました。

 

社会の仕組みを少しだけ変える

活動初期の頃、地域の集まりや学校の授業、地域イベントに出展して、「使用済みの天ぷら油は、流すと水質汚染の原因になるし、燃やすと二酸化炭素が発生して大気汚染の原因になるし、埋めると土壌汚染や地下水汚染の原因になって農産物にも影響が出ます。みんなで回収に協力しませんか。バイオディーゼル燃料にしたら軽油代替燃料になって、トラクターや車や機械が動かせて、地球温暖化を多少なりとも防ぐことができるし、おいしい農産物も食べられますよ」と、趣旨を説明に回られました。

とは言え、実際に実用的に使えるような需給システムを構築しないとインパクトはありません。

「んなもんで車がはしるか?」「それを集めたら金儲けになるんか?」

地域の中で取り組みを進める蒲田さんたちの前に、そんな声が立ちふさがります。実際に、ある程度の規模がないと効果はありません。さらに、ちーびず(地域力ビジネス)として、小さくても動き続けられるお金を生み出すことも重要です。地域社会とちーびずネットワークは不可欠です。蒲田さんらは、粘り強く地域社会への普及を進められました。

 

そして、NPOのつながりも活かしつつ、NPO法人まいづるネットワークの会(舞鶴市)、生活サポートのカタログでも紹介したNPO法人いいねふれあい(伊根町)、NPO法丹後福祉応援団、さらに綾部市環境市民会議、さらにさらに南丹市のエコレンジャーまで南下して協力団体の大きなネットワークを構築。

住民や団体だけでなく、飲食店や事業所、農機具を動かす農業者も賛同多数。京都縦貫自動車道の道の駅・味夢の里も協力事業所です。

NPOのホームページでも活動履歴が紹介されています。一度ご覧ください。

この努力と、地域の方々の理解と協力があったからこそ!感動です!

はじまりは故郷に対する想い

「自分たちのふるさと、丹後。その環境を守りたい」との思いから始まりました。

下水の処理システムが普及していなかった丹後では、工業用排水・農業用排水・生活排水に起因する阿蘇海の汚染が問題になっていました。

「何かできることはないだろうか、、、」

蒲田さんが目を付けたのが、廃食用油というわけです。

 

高純度のバイオディーゼルを作り出すシステム

実は、廃食用油を回収している事例や、既存の燃料に混ぜて活用している事例は他府県でもそれなりにあるのですが、廃食用油を再生させた燃料だけで車を走らせたり、実用化して様々な事業所で利用している事例は京都府だけなのだとか。

次回のブログで紹介しますが、このシステムをつくられたのは、伏見区の企業・株式会社レボインターナショナルさん。蒲田さんは、この企業と連携してバイオディーゼル燃料を生産するシステムをつくられ、環境系の助成金を活用しながら、丹後のNPO法人の拠点にも、他にない生産設備を設置されました。

簡単に説明すると、集められた廃油は、水分の除去、グリセリンの除去、不純物の除去、添加剤の注入などを経て燃料となります。市販の油といっても種類は様々ですが、なんと植物性の油であれば何でも再生が可能だそうで、精度も、ヨーロッパ基準と京都基準をクリアするのだとか。

さらに、理論上では元の油の量と同じ量の燃料が生成されるそうです。例えば、1リットルの天ぷら油があったら1リットルの燃料ができる。1リットルの燃料があれば、ディーゼルのバスなら6km走れることができるんですって!ちょっとビックリです。

バイオディーゼル燃料を地域で使う

京都府の北部地域、特に廃食用油回収地域の市町村では、このバイオディーゼル燃料100%した車が多数走っています。

ゴミ収集車、コミュニティバス、高齢者施設への送迎バス、学校給食給配送用トラック、衛生プラント、移動図書館バス、輸送トラック、公用ダンプ等々。

地元農家と協力して、農機具にも利用して丹後の美味しいコシヒカリ生産。

エネルギーの地産地消です。

与謝野町、給食センターの配食トラック。全てがバイオディーゼル燃料で環境に優しい仕様。そして、給食作りの際に出た廃油は回収されるという循環が成り立っている。

 

シビックプライド

この回収システム、基本的には地域の住人自身が油を集める仕組みになっています。それゆえに、自分たちが自分たちの住環境に貢献しているという意識を、より強く持ってもらうことができるのだとか。

「地域の活動は、地域の人がやらなあかん。僕らはそれをどうやって喚起させるか。」いつも蒲田さんが言われることです。

そういえば、最近私が学んだ言葉に、Civic Prideという言葉があります。地域の住人自体が地域に対して主体性を持って関わり、地域を良くしていこうとする、地域に対する当事者意識と言えるものです。

他の地域で成し得ていない油の回収システムを軌道に乗せ、その他の活動もじわりと広がって行っているのは、このシビックプライドと言えるものを地域の人に持ってもらう為の仕組み作りが上手いからなのかもしれない。地域の環境を変える、その為に何ができるのかを考え続ける蒲田さんが導き出した答えが地域の人たちを巻き込む、という方法論だったのですね。

 

「環境って成果が出にくいんですよ~」

そう笑われるけれど、地道な努力がじわりと地域住民の意識を変えていっているのは間違いなさそうです。

 

この記事のちーびず団体

chii-information
〒6292262 京都府与謝郡与謝野町岩滝1789-1
TEL:0772-46-9044
蒲田 充弘
蒲田 充弘

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ちょっと海のお掃除とちょっとシーカヤック。単語をもっと深く知りたい方、丹後の自然、地元の方々と触れ合いたい方、是非お越しください。

4,000円(昼食代込)
受付・主催:NPO法人 丹後の自然を守る会
090-3708-7534
受付:京都ちーびず推進員 蒲田充弘
  • 集合:
    京都丹後鉄道「久美浜駅」
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    ちょっと海の清掃+ちょっとシーカヤック、お弁当昼食&交流会・流木オブジェ作り
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    4人〜10人程度人
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    6月〜10月頃
    お申し込みを受けてから日程を調整します。「お名前、ご住所、ご連絡先、参加人数、希望日」を一週間前までに電話でご連絡ください
井上 淳
by
いのうえと申します。二代目ちーびず推進員の一人ですが、推進員の中でも下っ端を自負しております。お仕事は幅広くデザインのことをかじっております。両親は九州と中国地方出身、私は京都府出身京都市在住。実は、遊牧民のような出自のせいか、京都府各地のことはよく知らないことばかりなのです。。。