>>
2017年12月14日 | ちーびず
もっと日本の木を使うために。木質エネルギー普及の11年ー京都寺町のヒノコ
この記事に登場するちーびずさん
松田直子さん(株式会社Hibana)
松田直子さん(株式会社Hibana)木質バイオマス燃料の市場拡大に、想いを持って取り組んでおられます。

二条寺町の通りに面して可愛い京町家のお店がある。普段は「木」や「炭」に関する商品を売っているのだけれども、休日になると野菜を売っていたり、カフェの案内が出ていたり。

一見すると何の店かな?と思うこのお店が今回の主役、ヒノコさん。京都市内で木質燃料の活用を軸に循環型社会を目指す活動を続ける人たちの拠点となっている。このヒノコを運営する、株式会社Hibanaの代表取締役、松田さんにお話をお伺いした。

 

「日本にはあんなに森があるのに。」想いはそこから。

創業前、熱帯林を守るための様々な活動をしていた松田さん。東南アジアやフィリピンに行って現状を知るたびに、知らない間に熱帯林の木を使っていってしまっている日本で何かできないかと想いを深めた。「もっと日本の木を使えばいいのに。」「日本にはあんなに森があるのに。」

 

もっと日本の木を使うには何ができるのか。。。

 

家具はいろんな人がすでに取り組んでいる。建築も同じ。

 

そこで目をつけたのが、当時ヨーロッパでは一般的になりつつあった木質材料をエネルギーとして活用することだった。

 

街中から木を発信し始める

松田さんが、同じく熱帯雨林を守る活動を行なっていた成田さんを共同創業者に京都市で株式会社Hibanaを立ち上げたのが11年前。何故街中でそんな活動を行うことを決めたのか、と疑問が湧くが、その点は二人の中でもかなりの葛藤があったらしい。

「街中に位置し、大きな市場に向かって発信することに意味があると思って」

拠点は少しずつ動かしているが、今は寺町。観光客や外国の人が多く通りかかる、人通りの多い場所で木質燃料を使う生活スタイルを提案し続けている。

京都にはこんなに森があるのに。

会社を立ち上げた当初の商材は薪。薪の生産は当初少なく、岡山や岐阜などで作っていた。「こんなに森があるのだから、京都で作ったらいいんじゃないか。」そう考え、実際に京都内で製造販売していたそうだ。何とか安く買いたい人にはほとんど木のままで販売したり、トラックごと重さを測る仕組みにしたり。

そんな取り組みを続ける中で、徐々に他の燃料に移行していきながら、木質燃料の使用を徐々に広めていった。

一番大きなものはペレットだったそうだ。これは京都市長の「ペレット工場を作る」という指示にも寄るところがある。当時、京都市内唯一のペレット販売店だった株式会社Hibanaが、京都市の意向を受け、広報を手伝うようになってから、市場規模は徐々に大きくなっていっている。今では京都でペレットを販売している会社は20社に上るのだ。

 

当初の目標は達成しつつあるのでは?

そんな話を聞くと、徐々にではあるが、当初の目標は達成しつつあるのでは?そんな質問をしてみた。

「かなり広がって来たけれども、まだまだです。今の取り組みでは使っている木は本当にごくわずかなんです。」即答で回答が返って来た。「先進国の中で日本だけが木のエネルギーの普及が低い。それはなぜか、石油ストーブが便利で安いから。」化石燃料から木のエネルギーに変えていきたい、そんな想いは開業当初から何も変わっていないようだ。

「たまに全てが木のエネルギーに変わると禿山になるんじゃないかと思われるのだけれども、日本人全体が燃料として使ってもそんな風にはならないんですよ。それよりも、今は木質エネルギーを発電にばっかり使う地域があるんです。それが原因でめちゃくちゃになった地域もある。エネルギーになるべきじゃない木もかき集めたりするので。。。。」そんなことになってしまったら、本末転倒もいいところだ。

「ペレットなんかは、木としての他の使用用途で使えなくなった最後の段階なんです。」

 

今の取り組みでは足りない。想いは変わらず。

株式会社Hibanaの会社理念の中には循環型社会を目指す、とある。森林資源、つまり木は再生する。燃やした量の数パーセントは灰になって自然に戻る。そして例えばその灰を畑にまく。もちろん、自然の素材だから、できた作物は安心して食すことができる。そんな生きた循環を作り出すには、もっと使って木を植えるという流れにしていかないといけない。自然再生する流れにしないといけない。

最近頻発する洪水などの自然災害に対しては、森が荒れていることがその大きな要因の一つではないかと松田さんは言う。「要はまだまだ(普及が)足りないんです」。途絶えた循環の輪を復活させるための決意は強い。

木への愛を感じる木製のイアリング

 

人を育てること、輪を作ること、それを継続して行うこと。

ところで、私も月一回イベントでヒノコに集まる人たちと交流することがあるが、皆自分のできる範囲で循環型社会を作り出そうと熱意を持った人が多い。株式会社Hibanaでは、仕事に関わる人を増やすために、ペレットストーブ・ペレット燃料を販売する会社を増やす取り組みを行ったり、想いを同じくする人達と同じ場所に拠点を置いたりと、人の輪と人づくりに重きを置いているように思えて、それを行うことの意義を考えた時に少し不思議だった。

11年の足取りを今回初めて知り、そういった全てが「木を使うこと」を普及させるための当初からの想いにつながるのだと、納得した。

 

この記事のちーびず団体

chii-information
京都府京都市中京区寺町二条下榎木98−7
TEL:075-241-6038
FAX:604-0931
営業時間10:00〜19:00
定休日: 水曜日
松田直子
松田直子
井上 淳
by
いのうえと申します。二代目ちーびず推進員の一人ですが、推進員の中でも下っ端を自負しております。お仕事は幅広くデザインのことをかじっております。両親は九州と中国地方出身、私は京都府出身京都市在住。実は、遊牧民のような出自のせいか、京都府各地のことはよく知らないことばかりなのです。。。