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2017年07月10日 | ちーびず
高齢者の方へ、生きがいと笑顔あふれる起業のススメ~城陽ちーびずスタイル
この記事に登場するちーびずさん
浦畑理事長さん(NPO法人 きらっと)
浦畑理事長さん(NPO法人 きらっと)自立した老後を過ごしてほしい!自宅での生活を実現する!高齢者の生活について、熱い想いで活動中です。

高齢者というと、私のような30代後半の若者からすると、「尊敬するべきやけど、意外とわがまま」とか、「元気やけど、活動的でない」とか、少しマイナスのイメージがあるのは否めない。自分の坂を下りていく途中だと捉えると、少し暗い気持ちになったりもする。

そんな中で、地域を支える「生活サービス」という題材で取材に出かけたら、思いがけず「笑顔」がテーマのお話に出会うことができた。

 

浦畑理事長の想い

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今回取材させていただいたのは城陽にある、きらっと介護支援センターのきらっとコミュニティカフェで、浦畑理事長(写真左)、生きがい倶楽部の池井戸代表(写真右)、生きがい倶楽部の廣瀬博美さん。

浦畑理事長は「自立して地域社会とともに生き、生きがいを持って生活する元気高齢者を支えること」や「在宅での生活」を実現する介護を実践してこられた。

 

浦畑理事長(以下浦):「健康や生活に不安がある中で、日々何もせぇへんで暮らしてると、弱っていくスピードが早いねん。で、そんなん虚しいし、つまらんでしょ」「社会の仕組みの中で、年金は若い人たちが出してくれるのが当たり前・・と違ってね、社会に少し貢献してみる気持ちで生きれば楽しいでしょ?っていうのが、ボクの根本にあるんです」

浦:「特に退職の直後は健康な体があるわけ。んなら、地域で頑張ろう、と。いろんな人とコミュニケーションを取ったり会話して、刺激を与えたり与えられたり。そんな人と人との関係の中で、生活を謳歌した方が、生きがいを持って生活するっていうことに繋がるでしょっていうね。」

 

そこで十数年前に地域貢献+仕事づくりとして始めたのが自転車預かり所(寺田の駐輪所)。そしてそれを運営するのが生きがい倶楽部。現在のメンバーは8名程度。もちろんみなさん元気高齢者です。

 

「廣瀬博美さん」は、生きがい倶楽部で働き出して2年。前は駐輪場の利用客だった。

「廣瀨博美さん(以下廣)」「預けてる時もすごい楽しかったんですよ。みんな話しかけてくれるし、楽しくって。帰ってくる時に、今日は誰がいはんねやろとか考えたりとかしてね。ふふっ」

 

笑顔の自転車置き場

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この自転車預かり所のエピソードがなかなかほのぼのする。

浦:「あっこの自転車置き場はここら辺で一番行儀悪い。利用者の多い所というのは、事務所の前に自転車置いて、『頼むわおっちゃん!』いうてピューと電車に乗りに行く(笑)。で、帰ってきた時に自分の自転車がどこに置いてあんのか分らんから、生きがい倶楽部のメンバーに声かけて「あぁ、どこやったっけな」って探すと、『あそこにあんでぇ』ってコミュニケーション。お互い顔を覚えてて、それもまた楽しいやん。」

廣:「普通喋れへん若い男の子とかでも話せるでしょ! それが楽しくって。『おかえり〜』言うて笑顔で迎えるんです。」

浦:「地域地域に元気な高齢者がいる中で、学校や会社に行く自分たちより若い世代の人たちを、地域として送り出す・出迎えるっていうかな、それもまちづくりの一つとしてありやと思う」

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地域に溶け込んでいった自転車置き場は、徐々に役割を変えていく。

 

廣:「今ね、駐輪場で野菜売ってるんですよ。すぐ売れますよ。農家のお父さん、一生懸命お野菜作ったはってね。あ、そういえばええ自転車を買わはりましたよ。笑」

浦:「若い人に地域社会と日々触れ合う仕組みを作ってみたら、毎日預けに来る人達が、生きがい倶楽部のメンバーに人生相談や恋愛相談や仕事の相談を持ちかけてこられる。高校生が『ちょっとおっちゃん話聞いてよー』とか言ってくるから、『ほなそこ座りぃな』ってなことで1時間とか2時間とか座ってたり(笑)」

廣:「近所の奥さんもね、近くに100円の駐輪場があるのにですよ、150円払って喋りに来はるんですよ。(笑)ほとんど井戸端会議が目的やねぇ。」

 

コミュニケーションが仕事を生む。

そうやってコミュニケーションが取れるようになると、相談事が徐々に仕事へと変化していった。

 

池井戸さん(以下池):「そんな中で、駐輪場以外の仕事が出て来たんですよ。例えば駐車場の雑草を処理して欲しいとか、介護のヘルパーができないような仕事をしてほしいとか地域活動の依頼が増えてきました。」

浦:「介護の仕事をしてるとね、ゴミ屋敷みたいでヘルパーが入れないところもあるのよ。そんな時は、生きがい倶楽部に出動を依頼して片付けてもらう、とか、植木が茂って隣近所に迷惑かけている状況だったら、剪定する、とか。」

もちろん、その時は、「費用をお支払いしてもらう前提で」仕事として請け負うのだ。金額は仕事の内容・お客様との話し合いによって決め、楽しく活動ができるようにしておられるのだ。

ミニ電車初回①

地域のレクリエーション活動も仕事の一つ。

浦:「家でじっとしてても年金以外何も入ってこないけど、2000円でも5000円でも入ってきたら楽しいでしょ。日々辛抱して生活するんやなくて、今月3万円儲かった!とか、それも人生の中でありですよ。倶楽部メンバーの中にはそのお金で年一回親族一同で大宴会開いたりとか、その時だけでもちやほやされんのが楽しいというメンバーもいます(笑)」

池:「私も年に一回は旅行に行きますよ。」

浦:「そうやって、貯め込むんじゃなくて好きに使って人生を楽しむ、こんな生き方が幸せを味わえる方法でしょ」

確かに、そうやって稼いだお金は凄く健全に見えるし、何と言うかちーびずの目指す姿っぽくて良い。

 

定年は無い。85まで元気で働く!

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廣瀨さん、この日はきらっとコミュニティカフェで延々とキャベツを切っている、と思ったら、このキャベツも城陽の地域の夏祭りでお好み焼きとして販売されるそう。

浦:「ものすごいキャベツ切ってるでしょ。生きがい倶楽部で一稼ぎします(笑)。一人1万円くらいは儲けますよ。でもそういう楽しみもないとね。」

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今では他の仕事も含め、4つの仕事を掛け持ちしている廣瀨さん。

廣:「姪にね、家にいて仕事してへんときは言葉が遅かったけど、今はスピードが全然違うって言われたんですよ。『喋るって大事やなー』って言ってました。私は喋りすぎるんですけどね(笑)」

 

池井戸さんも、廣瀨さんも常に自然に笑顔が溢れ、楽しげで活動的な印象。そして、丁寧に話を聞いて受け答えをしていただける。それは団体の目標や浦畑さんの考えにも影響されているところがあるのだろう。

池:「メンバーの目標はね「常に笑顔でいること」「定年は無いけど、元気で85歳まで働くこと」」

そんな人たちが増えれば、高齢社会というのも楽しい響きを持って聞こえてくるかもしれない。

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花壇の植え替えも委託業務で請け負う。

最後に

浦畑さんが仰っていたことが印象的だった。

浦:「リタイアするまで何年も仕事してきたら専門的なことに深掘りする人が多い。で、それを使って起業しよう、とか考える高齢者の方が一般的。でも、こんだけ時流が早かったら、起業する頃には自分が得意分野と思っていたものが時代遅れになっていることも多い。そうなると「みんなわかってくれへん世間が悪い」とマイナス思考へ突き進むことが多いですね。だから、そんな変なプライドを捨てて、地域の中で地域に貢献する気持ちで何でも言ってくださいっていう素直な気持ちを持つ、そんな中で生きがいを見つけることから、「地域の仕事」ってもんが始まることがあるんです」

 

私たちのような若者には、地域の為に果たすべき重要な役割があることはもちろんだけれども、少子高齢化の中で高齢者の方には、人生のキャリアを活かして、地域を形づくっていく大きな役割を担っていただけるのかもしれない。それは今までの自治体や町内会といった単位での活動もそうなのだろうけど、我々の世代やもっと若い世代の日々の生活の中に、高齢者の方と接する機会があればきっと楽しい。

私達から「高齢者の方ももっと働いてよ」とは口が裂けても言えないのだけれども、もし、それが浦畑さんの提唱するように高齢者の方から積極的に地域の日常に戻ってきていただけるのであれば、自然と寺田の自転車置き場のように笑顔があふれる場所ができるのだろう。

でも、その為にはちょっとした楽しみがあっていい。屋台で一儲けするもよし、そのお金で旅に出かけるもよし。そうして活動的で自立した高齢者の方たちが増えれば、地域がもっと明るくなるのかもしれない。

ちーびずの一つの形を見た気がして楽しくなった。浦畑さんと生きがい倶楽部の周りには笑顔が溢れている。

 

この記事のちーびず団体

chii-information
〒6100121 城陽市寺田高田56-17
TEL:0774-54-7232
営業時間10:00〜16:00
定休日: 日曜日 祝祭日
浦畑理事長
浦畑理事長

ちーびず推進員メモ

きらっとさんでは、起業支援セミナーなども開催されています。京都府のホームページをごらんください。
井上 淳
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いのうえと申します。二代目ちーびず推進員の一人ですが、推進員の中でも下っ端を自負しております。お仕事は幅広くデザインのことをかじっております。両親は九州と中国地方出身、私は京都府出身京都市在住。実は、遊牧民のような出自のせいか、京都府各地のことはよく知らないことばかりなのです。。。

コラボ推進員

堤明日香
京都府南部、山城地方のちーびずを応援しています!地域の美味しい食材、大切に遺していきたい地域の宝(人)を見つけ出すことが得意です。ちーたびやマルシェの実践回数、情報も豊富。山城地方でちーびずにチャレンジしてみようかな、と言う方、是非一緒に盛り上げて行きましょう!