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2017年06月29日 | ちーびず
平均年齢90歳!3人のおばちゃんたちの挑戦~綾部水源の里・古屋(こや)~
この記事に登場するちーびずさん
渡邉 和重さん(水源の里・古屋 自治会長)
渡邉 和重さん(水源の里・古屋 自治会長)京都府で一番小さな集落3世帯4人の暮らす・水源の里古屋の自治会長。10年前からとちの実を使った製品作りで村おこしに取り組んでいる。

とちの木

山から最初の一滴の水が生まれ出ずる場所

ぽたっぽたっと絶え間なく落ち続けるしずく。。。

これが山から生み出される最初の一滴、一滴。

「甘いですよ」と言われ、本当かなと飲んでみると、確かに甘い!

とちの木は水を選ぶんです、と古屋の渡邉さん。

なるほど、まわりはとちの木がすっくすっくと立っている。

中でも樹齢千年のとちの木はせせらぎの上にどんと鎮座し、美味しい山の栄養を存分に吸い上げて

神々しいまでに大きく豊かに成長している。

 

山は生きている、

山は生み出している、

山は育てている、

そう感じる綾部水源の里・古屋の水源地へのトレッキングでした。

 

樹齢千年のとちの木が選んだ美しい水

水源の里、古屋は3世帯4人の京都府でもっとも小さな集落です。

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綾部市は平成19年、過疎・高齢化が進行し、コミュニティの維持が困難となっている5集落を対象に水源の里条例(5年間の時限条例)を施行し、平成24年には、対象集落を56に拡大し、新・水源の里条例(5年間の時限条例)を施行しました。

古屋は水源の里集落の指定地で、10年前にこの振興策が始まったことで、当時80歳前後だった集落の3人のおばちゃんが、一念発起!

「平安の昔から続いた長い歴史ある古屋を、自分たちの代で廃村にしたくない」と、村おこしをはじめました。前述の渡邉さんは、この土地で生まれ育って、後、東京で仕事をしていらっしゃったそうですが、14年前に故郷・古屋に戻ってこられたそうです。

その渡邉さんのお母さんを含む3人のおばちゃんたちが、とちの実をつかって「とち餅」「とち大福」「とちの実おかき」「とちの実あられ」「とちの実クッキー」を作り始めました。

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とちの木は水を選ぶそうです。きれいな水でなければ育たない木だそうです。

古屋の山にはそんなとちの木が1000本ほど群生しているのです。

よほど、美味しくてきれいな水なのでしょう!!!

そして、毎年秋になると、とちの実が山の湿った傾斜の中、ころころと転がります。

その実を拾うところから、とち餅作りが始まるのですが、たいへん手間のかかる作業です。

「弱音をはかない、ぐちをいわない」

当時80歳前後だったおばちゃんたちが、村おこしを始めるにあたって、最初にみんなで決めごとをされたそうです。

それが、「弱音をはかない、ぐちをいわない」。

たった3人のメンバーなので、誰かひとりでも、もう無理やって言い出したら終わってしまう。

だから、前向きに頑張る、そんなおばちゃんたちは本当に働き者です。

とち餅作りは最短でも1カ月以上かかりますし、結構な重労働です。

若いころは朝3時に起きて弁当を作って5時には山に入って仕事をしていたということですが、

今でも忙しいときは、週7日毎日朝8時から夕方4時まで働いているそうです。

自治会長の渡邉さんは、「10年前より元気になりました。張り合いがあるからだと思います」とおっしゃてられました。

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今では、90歳前後のお3人ですが、耳が遠いとか、足が痛くて歩けないとか、そんなことは全然ないようで、

93歳のおばちゃんはスクーターに乗って毎日作業場である公民館へと通勤されています。

千年の歴史、源義経も通った道を水源の元へと

さて、この日はほんの打ち合わせに古屋へと足を運ばせていただいたわけなのですが、

渡邉さんが、「では現場へまいりましょう」とおっしゃられて、スカートとパンプスだった私に長靴を貸してくださいました。

それから、渡邉さんの車に乗せてちょっと険しい山道を登ったわけですが、舗装されてない道のドライブは冒険アドベンシャーのアトラクションのような感じで、おしりが振動で弾むたんびに、神秘的な清々しいあたりの景色にわくわくドキドキ胸が弾みました。

車を停めると目に入ったのは、蜂箱です。

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とちの実のハチミツは大変高価なものだそうで、5年前から京都府養蜂組合がここで50万匹の蜂を飼っているということです。

その年によってとちの実がたくさんなったり、あまりならなかったりということがあり、とちの花を受粉させるためにミツバチの養蜂をはじめたところ、

毎年安定した収穫高を得ることができるようになったそうです。

ちなみに「とちの実クッキー」はこの高価なハチミツが使われています。

とちの木の花の蜜しか吸わないという、蝶もひらひら飛んでいました。

さて、これから自分の足で山に入るにあたって、まずは石仏さまにお参りです。

これから山に入りますのでお守りください、ってお願いしないと思わぬけがをしたりするそうです。

大事な守り神様なので、高いところに祀られてありました。

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しっとり湿った山の道を進みます。

時にはせせらぎを渡ったり、木の根っこの階段を上がったり、

ここは明智光秀も通ったという、舞鶴から京都へと抜ける昔の京街道という道だそうです。

川に沿ってジグザグと結構急な坂道なき道を進むのですが、優しいふんわりとした土の感触、潤った空気、

現実離れしたおとぎの国のようです。

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川のせせらぎが少しずつ狭くなっていきます。

と、上を見上げると、せせらぎをまたいだ大木が、うねりをあげて空へ葉をのばしています。

「これが樹齢1000年のとちの木です」と渡邉さんが教えてくださいました。

なんとも神々しいお姿です。

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そのとちの木から、しばらく登ったところに・・・

ありました!!!

水源の里の水の滴が生まれるところ。

「モーモーさん、お水いただきます」と言わないとお腹が痛くなるそうです。

こんなおまじないも素直に受け入れてしまう空気がそこにはありました。

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山を下り、石仏さまに無事帰還のお礼を言って、山を後にしました。

あったかい、とちの実ぜんざい

公民館に戻ると、おばちゃんたちが「とちの実ぜんざい」を用意してくれてました。

とちの実がたっぷり入っているお餅は、濃い色をしています。

とちの実のちょっと苦みと甘い小豆がほどよくマッチして美味しい!

なにより、おばちゃんたちがお茶入れてくれたり、おかわりどんぞ、と言ってくれる気遣いがごちそうです。

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古屋にはボランティアの人たちがたくさん訪れます。

訪れる人たちを合わせると年間3千人にもなるそうです。

そんな人たちにおばちゃんたちは、この「とちの実ぜんざい」をふるまわれるのです。

これで、古屋のファンになってしまうのは私だけでないと思います。

自主応援組織「古屋でがんばろう会」というのもあるそうですが、おばちゃんたちが弱音をはかずに頑張って働いて、古屋に来た人にあたたかいおもてなしをされてるから、おばちゃんたちを応援したいって人が集まるのでしょう。

忘れられた場所から注目される場所へ

山の中こそ元気にならなければと制定された「綾部市水源の里条例」

これをきっかけに当時80歳ぐらいだったおばちゃんたちが頑張って村おこしをされて10年。

古屋は注目される場所へと変わりました。

「おばちゃんたち、本当に元気ですね」って渡邉さんに言いますと、渡邉さんからこんな答えが返ってきました。

「10年前は、古屋は全く忘れられた場所でした。今、たくさんの人に注目されて、応援していただいてるから、よし、頑張ろうという気持ちになってるんだと思います。」

おばちゃんたちの、よし、がんばろうの気持ちは大きいです。

イベントがあると午前2時に起きて、とちの実大福、とち餅、とちの実クッキーなどを作り、会場へ行くと売り子をします。6月11日に開催された「京都府庁こだわりマルシェにも出店され、おばちゃんたちのお店は大繁盛!10時からイベントが始まり1時間でとちの実大福は売り切れたそうです。

「こうやって出かけるのが元気の源」とおばちゃんたちは、元気にあふれています。

元気なおばちゃんたちの笑顔に会いに

自然も素晴らしいですが、ここにいらっしゃる皆さんも素晴らしい。

一人一人が、この場所を自分の居場所と定め、しっかりと根を張り、大空に向かって大きな葉を広げる、とちの木のようです。

とちの木が高価なハチミツを創りだすように、古屋のおばちゃんたちも美味しいとちの実の製品を創りだします。

私も古屋応援団となって、とちの実の作業のお手伝いにまた来たいと思います。

去年来たときは、結構上手にとちの実の皮をむくことができたんですよ。

今年はまず、とちの実拾いから参加させていただきたいなと思います。

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この記事のちーびず団体

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京都府綾部市睦寄町古屋(古屋公民館)
TEL:
渡邉 和重
渡邉 和重

ちーびず推進員メモ

仲井玲子
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