木津川が東西に流れる南山城村の北側山地にはお茶の生産が盛んな場所が多いですが、ここ木津川市加茂町の北側もあまり知名度は高くないものの、お茶の生産に適した気候です。
加茂町の中心部が見渡せる、山あいに広がる茶畑が「加茂自然農園」です。他の茶園に比べると、雑草が多いような気がして。が、それもそのはず、ここ加茂自然農園は自然農法で、除草剤を使わず、雑草とお茶を共存させているのです。茶園代表の山崎徳哉さんを取材しました。
お茶の木に無理をさせない、頑張らせない
親の代から「山徳製茶園」を受け継いだ山崎さん。ずっと除草剤・肥料に頼る一般的な方法でお茶を育てていました。ところが、自らの体調不良や子供が生まれたことをきっかけに、ジムに通い出したことで運動と食事を変え、自分が変わる体験をしました。その経験を生かして、自然に寄り添ってお茶を栽培する方法に方針変換。
肥料と農薬を一斉にやめた時は虫・雑草が大発生したけれど、数年自然農法を続けていくうちに、虫の大量発生などは「自然自らがバランスを取り治す力」がつく為に無くなっていくことを実感しつつ、自然農法でのお茶の生産方法にも確信を持たれたとのことで、それは自らの生活を変えてしまうような大きな出来事だったようです。
雑草は雑草と思うから忌み嫌われるのであって、その時に土が求めている植物と思えば、雑草が生えることすら愛おしく思える。実際に雑草を刈り取るのは、雑草が枯れてから。より自然に近い形のお茶になるよう、「お茶の木に無理をさせない、頑張らせない」栽培方法でお茶に向き合っておられます。
「土の匂いがまったく違う。前は肥料臭かったんですけど、今は山の自然な匂いがする」「肥料がお茶を育てるんじゃなくて、土がお茶を育てる」。自然の力を信じ、お茶を育てている山崎さんです。
食べ物や飲み物を丁寧に選ぶ。
さらに、「体に負荷のかからない食べ物や飲み物を丁寧に選ぶ」。その考え方を共有できそうな加茂周辺の農家やパン屋さんを見つけて商品を預かり、販売会を定期的に開かれています。
トレーニングジムでも販売会を行うなど、様々な場所に出かけてはお茶を振る舞い、お茶の話、自然農法の話を伝えることで共感者を増やしています。
想いを共有できる仲間を身近に見つけ、共感者を増やしていくことで、自然農法という考え方が当たり前になってきたら良いと語ってくださいました。
オススメ!「茶摘み~茶葉を製茶する体験ちーたび」
お茶の京都・山城地域では、新茶の季節になると「茶摘み体験」を催される自治体等の案内をよく見かけます。普段中々出来ない茶摘みは、毎年あちこちのお茶園でも盛況です。私も何度か経験させて貰いました。一芯二葉の部分だけを手摘みします。摘んだ瞬間広がる茶葉の青い匂い。飲むお茶の香ばしさとは違って、爽やかな、それでいて深くて芳醇。これはその場にいるものでしか感じることは出来ない贅沢なひと時。
一般的な茶摘み体験は、そこまでのことが多く、お茶の試飲には、別の製茶された茶葉でいただきます。というのも、普段は刈り取った茶葉はすぐ製茶工場に持っていき、蒸し、揉み、乾燥の行程を踏みます。どの行程も決して手は抜けない、とても重要な技術を要する作業です。「手もみ」の技術は特に、それをされる人一人ひとり個性があり、出来上がったお茶の味も違ってくるのだそうです。それも又味わいです。
今回は、「なんと、自分で作ったお茶を味わえる・・・摘み取った茶葉を、製茶して飲む体験」です!! おおっ~~~!
茶畑~製茶~お茶を飲む 一連の流れを体験して欲しい
これは滅多に出来ない、貴重な体験ですね!製茶工場、というわけにはいかないので、ホットプレートで製茶体験をして、「お茶が飲めるまで」の一連の作業を体験してもらいます。参加者同士で飲み比べをしてみると、それぞれに違う味が体験できるかも。
今、山崎さんは自宅に囲炉裏を造っている最中とのこと。自然に寄り添う素朴な暮らし、体験してみませんか。
自然豊かな京都府南部、お茶の京都エリアに、お出かけください。