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2016年08月26日 | ちーびず
「胡麻」という地域と農業を守る試み
この記事に登場するちーびずさん
橋本さん(アグロス胡麻郷)
橋本さん(アグロス胡麻郷)南丹市胡麻地域で地域の農業を守るために日々努力を重ねておられます!

こんにちは。ちーびず推進員、井上です。

京都には胡麻という地域がありますが、皆さんご存知でしょうか?「胡麻」、、、あのツブツブ、、、??

いえ、実は京都駅から電車で1時間の山陰線「胡麻駅」周辺の南丹市日吉町、胡麻地域のことを指します。と、言っても解らない方もおられると思うので、図解すると

京都地図

この京都の真ん中にある丸がJR胡麻駅、そしてその周辺の胡麻地区です。海抜は200m程度で、京都の中では比較的高い場所にある地区と言えます。

都会から便利な田舎

失礼を承知で書くと、胡麻には地域資源と言われるものは少ないのです。もちろん、田畑や自然は美しく、住んでいる方々の声を聞くととても暮らしやすい地域だと言われるのですが、観光資源と言えば、「ザイラー夫妻」が運営する「かやぶき音楽堂」で年に数回コンサートが開催されるので、その時に人が来るのと、「ゾンネ」さんというドイツパン屋さんが有名でこれを目掛けて人が来るのが代表的なもので、その他には農家レストランがあったりはしますが、なかなか地域の魅力として打ち出せるものは少ない。

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菜の花畑越しの胡麻駅

自然が魅力とも言えるが、これも美山などのように人里離れた深い山里とは少し違い、山は低く、畑が広がる美しい都市近郊の田舎、といったイメージの胡麻。

この地域に推進員として携わるようになった時、他の地区との違いを色々と探してみましたが、二つあるんじゃないかなと思いました。それは、「京都から一時間という地理的な優位点」と、農業

今回は、そんな地域の農業を守り続けるために活動し続けている、アグロス胡麻郷の橋本社長をご紹介します。

アグロス胡麻郷という仕組み

有限会社アグロス胡麻郷の橋本社長は宅地造成等が始まるずっと前、40年程度前に胡麻に移住された方です。

もともとは京都市内にお住いだったのが、胡麻に移り住んだ、とのこと。風貌が少し仙人っぽいので(失礼)、そのお話をお伺いした際には、それがどういうことかわからず「はぁ、そうなんですか」と頷いてはみたのですが、後で考えると当時としては凄いことだなと思います。

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アグロス胡麻郷の集荷場。地区の農家さんがひっきりなしに出入りします。

アグロス胡麻郷の凄いのは、その手法にあります。自身ももちろん農業で収入を得ているのですが、加えて地域の小規模農家さんの農作物を一手に引き受け、小学校・保育所・病院・老健施設等の給食・よつば農産さんなどに卸しています。地域として農薬を極力使わない、体に優しい農法に努め、小さな農家さんや高齢者の方々から収穫できる無理のない量を回収し、大手に卸す。

この手法で継続的に地域と関わり続けるというその手法は地域の農を守ろうという強い意志を感じます。現に、胡麻の中でも上胡麻地区の多くの農家はこの方式に賛同し、アグロス胡麻郷に収穫物の販売を委託しています。

それは、胡麻(の少し離れた地域)に移住し、暮らし、農作物を作り続けることで田舎に暮らすことと向き合い続けてきた橋本さんだからこそできた仕組みかもしれません。そうやって地域の農家さんから得た信頼は厚く、今では胡麻の地域振興の大きな役割も橋本さんが担うようになっています。

危機を迎える一歩手前

畑が広がる一方で宅地造成が進む。

畑が広がる一方で宅地造成が進む。

今、胡麻の一部では宅地造成が進み、ここに引っ越してくる人は多いそうです。ところが、一方で田畑を継ぐ人たちは減り続け、高齢化もあって、畑が広がる美しい胡麻の風景は「危機を迎える一歩手前」というところまで来ているのだとか。

上胡麻では今年「交流農縁」という事業を始められました。これは、上記のような状態にある胡麻の畑を守るために、都市の方々に農業に興味を持ってもらい、週末だけでも胡麻で農業をやってみて欲しい、という想いで始められた事業です。ところが、橋本さんは、この取り組みだけでは不足で、「田舎に暮らす理想と現実は何なのか」「農業に携わるとは何なのか」、「もっと本質を考えておきたい」、と言います。

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交流農縁の畑。18区画が埋まるという人気ぶり。

確かに「田舎の人は農業が嫌い、都会の人は農業が好き」と橋本さんが言うような状態では、交流農縁自体も一過性のものに終わるでしょうし、本質的に胡麻が危機を脱することはないのだと思います。一旦立ち返って、上記のような本質的な議論でどうあるべきかを考えることも必要なのかもしれません。橋本さんの挑戦は続きます。

終わりに。

「危機を迎える一歩手前」の状態とは言っても、上胡麻が今その状態で止まっているのは、橋本さんの努力も大きな要因の一つなのかもしれないですね。結局、地域を変えていくのためにはその地に暮らす人達が地域を変えていくしかないのかも。その為には橋本さんのように外部からやってきた人でも、エンジンとなり、小さな積み重ねができる人がその地域でいるかいないのかは大きな違いなのだろうと思った次第です。

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この記事のちーびず団体

chii-information
京都府船井郡日吉町字上胡麻小字口仏原5番地の1
TEL:
橋本
橋本

ちーびず推進員メモ

「農業が嫌いな田舎の人、農業が好きな都会の人 〜ここらで田舎暮らしの現実と理想を話しあってみませんか?」と題してワークショップを開催検討しています。アイデアを集約している段階ですが、決定次第、Facebookなどで告知いたします。
井上 淳
by
いのうえと申します。二代目ちーびず推進員の一人ですが、推進員の中でも下っ端を自負しております。お仕事は幅広くデザインのことをかじっております。両親は九州と中国地方出身、私は京都府出身京都市在住。実は、遊牧民のような出自のせいか、京都府各地のことはよく知らないことばかりなのです。。。